心と体の健康

ココロとカラダをととのえる~冬の過ごし方~

秋も終盤に差し掛かり、朝晩の寒暖差が少なくなって来ました。日中はポカポカと日差しも心地よく感じ、これ位の気温でいつも過ごせたら幸せだなぁと思ってしまいます。この時期はしっかりと呼吸を整え、旬を味わいカラダに精をつけて冬に備えます。皆さん美味しい秋の味覚を堪能しましたか?今年は秋刀魚が不漁で高騰しているみたいです。庶民の味方の秋刀魚も今後は高級魚として扱われるかもしれませんね(泣)

さて、今月のテーマは「冬の養生」です。12月から2月までの過ごし方についてお話しします。

冬の過ごし方が「若さの秘訣」




寒くて日が短い冬は、東洋医学では陰の季節。草木は枯れ、葉を落とし成長するのを休め、動物や虫の中には冬眠し、春に備えて栄養を蓄えている時期に入る種類もあります。この冬の時期を東洋医学では「蔵(ぞう)」する季節と言います。秋に蓄えたエネルギーをしっかりと冬の蔵にしまって芽吹く春を待つ季節です。

また、冬は「腎(水の気)」が深く関わってきます。西洋的な腎臓の機能だけでなく、生命エネルギーの根本で、成長するためのエネルギー源であり、このエネルギーを「精」と言います。「精」には、生まれる前に父と母によって受け継がれるエネルギー源で両親の精に関連している「先天の気」と、飲食を行い、消化吸収を行ってエネルギー源を作り出していく「脾(土の気)」による「後天の気」があります。



成長の源である「先天の気」が少ないと、発育に影響したり、免疫力が弱く体調を崩しやすかったりします。そして、この「先天の気」は、年齢を重ねると、減っていきます。減り方は、生活習慣や環境によって大きく個人差が出てしまいます。

さらに、「精」は五腑(大腸・小腸・胃・胆・膀胱)の活動をサポートし、病気や怪我などがあると、それらの臓腑を助けるためにも使われます。これから寒くなる冬は、カラダの冷えを調整するために夏の時期よりも10%程多くエネルギーが必要になります。そのため、「精」の消費が増えてしまう事になり、若さを失い、老化を早めてしまうことに・・・。カラダを冷やさないことは年齢関係なく大切なことなんです!

「腎」のケアが骨(歯)・髪・脳(記憶)の成長に大きく影響する




東洋医学では腎は骨に大きく関係しています。成長の源である「精」が加齢とともに減ると、骨が弱くなり、骨折骨粗鬆症になりやすくなったり、腰痛・関節痛などの不調が出てしまったりします。

また、東洋医学で骨の余りである歯も、「精」が多いと虫歯になりにくいと言われています。ちなみに、西洋的に見ても、腎臓に不調があると、骨折しやすくなることがわかっています。最近は東洋も西洋も共通点が多い事が科学的にも立証され始めています。

髪もまた、「精」が満たされていると艶やかでハリもあり、元気でしっかりとしていますが、腎の働きが弱ってくると、髪が細くなり、白髪になったり弱々しくなってしまいます。よく、強い恐怖を感じると一晩で白髪になるという話を聞きます。漫画「あしたのジョー」でも、最終話でジョーと戦うホセ・メンドーサが、試合後には恐怖によって白髪になる描写が描かれています(分かる人は少ないかな?!笑)。

腎は、感情で言うと「恐怖」を司ります。強い恐怖心や不安感は、「精」の消費を増やし髪の発育に大きく影響を与えます。



そして、今注目されているのは、腎と「記憶力」の関係だと思います。腎は髄液を作り出し脳に送られ脳髄となります。脳髄は歳をとると作り出す力が弱まり、その結果、脳の働きが衰え、物忘れなどが起きてきます。記憶力を衰えさせないためにも、腎をケアする事。先ほど述べたように、骨と関係の深いことを利用して記憶力を上げていきましょう。

方法はとっても簡単。踵(かかと)をトントン叩く事。軽くつま先立ちになり、一気に踵を地面に落とします。骨振動を利用して、記憶力と骨密度の両方をアップして若々しくいたいですね!

他にも、泌尿器や耳も腎に関係しています。耳の不調は「精」の消費が増えているからかもしれません。最近の生活を振り返り、ゆっくりと休息をとりましょう。無視して行動してしまうと、志村けんさんがコントでやっていた、話を聞き取りづらい耳の遠~いお婆さんのようになってしまうかも!?(これも分かる人にしか分からない…笑)

春に備えて「精」を温存させよう!




若さを保つためには「腎」のケアを大切にし、「精」を無駄に消費させないように日々過ごすことが重要になります。 特に一番大事な季節は、冬になります。寒さだけでもエネルギーは使ってしまうので、余計な事にはエネルギーを使わないようにすることが大切です。外出の時はカラダを冷やさないよう気を付ける。いつもより早く寝て、質のよい睡眠を心がけ、朝はゆっくり余裕を持って起きる。「精」を温残させる冬のリズムを作ってみましょう。

そして、「後天の気」を充実させるためにも胃腸を整える事。五行の関係で腎を補う関係になる肺も大切にしましょう。肺は当然、「呼吸」がメインなりますので、秋冬は呼吸を整える事が基本の基です。

また、激しい運動は避けて、軽い運動にした方が良いかなと思います。お風呂も、つい温めようと長風呂になり、汗を沢山かいてしまいがちですが、かえってカラダに負担になるので注意しましょう。カラダの芯まで温まったくらいが丁度いいタイミングかと思います。

食事で腎を補うには「黒い食材」を選びましょう。黒豆、黒ゴマ、海藻類、牡蛎、えび、ニラ、くるみなど。合わせてカラダを温める、えび、羊肉、鶏肉、栗、くるみ、じゃがいも、ニラ、玉ねぎ、ねぎ、かぼちゃ、生姜、にんにく。免疫力アップに、キノコ類。気の巡りに、ゆず、みかんなどの柑橘類。これらを上手に組み合わせるとやはり鍋になるのでしょうか?塩辛いのも腎を弱らせてしまうので、水炊きが櫻井のオススメです!



冬をどう過ごしたかで、来春以降のカラダが決まると言っても過言ではありません。1年を何事もなく元気に暮らすためにも、冬の養生をしっかりと意識して過ごす事。春の花粉症を軽減させるのも、この時期からの意識が大切になります。

「腎」をケアして、いつまでも若々しく元気に自分らしく輝きましょう!

「腎」をケアして若さを保つ養生法


● 首元、足首を温める
● 踵(かかと)トントン、骨密度と記憶力アップ
● 恐怖や不安感を溜め込まない
● 予定を詰め過ぎず、ゆったり過ごす
● 軽い運動を心がける
● カラダの芯が温まるくらいのお風呂にする
● 「黒食材」「温食材」「塩加減」に気を付ける

代表 櫻井正智

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