皆さん、ココロとカラダをととのえてますか?7月半ばから、またもやコロナは感染拡大の傾向に。身近な方の感染も増えてきて、緊張が高まります。とは言え、外ではマスクを外したり、久し振りに友人と食事したり、旅行に出かけたり、どのように行動するかは基本的に自由。不安やストレスを感じ過ぎることなく、引き続き、自分たちにできる感染対策を心がけながら、少しでも夏の思い出作りができたらな、とも思います。
「土」の季節の過ごし方
東洋医学では「五行」の考えから、四季は性質によって「木(春)」「火(夏)」「金(秋)」「水(冬)」に分類されます。そして、四季には当てはまらない第五の季節として「土」があります。これは、「長夏」と「土用」からなります。「長夏」は、芒種(6月6日頃)の後の10日~9月半ば頃までの「高温多湿な雨期」を指します。そして、季節の変わり目(立春・立夏・立秋・立冬)の前後18日間程度を「土用」と呼びます。
五行の「土」には、「破壊」と「創造」という強い力があります。草木の成長に大きく関わるのが土であるように、私たちの生命活動にも非常に重要な存在です。一方、その強さゆえに体の調子を崩しやすいのも、「土」の季節の特徴でもあります。暑さに加えて、子供の夏休みなど、何かと忙しく疲れやすい季節なので、しっかり栄養を摂って、無理をし過ぎないように過ごしましょう。
「脾」「胃」を労わる季節
「土」の季節は、五臓の「脾」と関連します。脾は、生命エネルギーの基本である「気・血」の生成と運行に関わっていて、胃とペアになって動きます。食べ物が体に入ってくると、胃で消化吸収し、脾がそのエネルギーを全身に行き渡らせます。「土」は、体の五行においても真ん中に位置して、風車のように全身に気をぐるぐる巡らせてくれています。そのため、脾胃に不調が出ると、風車が動かなくなり、全身にエネルギーが行き渡らず、あちこちで不調が出てしまうのです。
高温多湿のこの時期は、脾に負担がかかることで、食欲不振や胃痛、下痢、口内炎、四肢のだるさや痛み、関節痛などの不調が出やすくなります。逆に言えば、この時期にきちんと脾胃を労わってあげることは、こうした不調の予防だけではなく、一年中元気に過ごすことにもつながります。
脾胃を元気に保つ3つのポイント
1)よく噛んで食べる!
ただでさえ、胃脾に負担がかかる季節なので、余分な負担をかけないように心がけましょう。ポイントの1つ目は「よく噛んで食べること」。よく噛むことで唾液がたくさん出るので、脳から消化器への合図が伝わりやすくなって、消化吸収が良くなります。また、満腹中枢が刺激され、過食を防ぐこともできるので、ダイエット効果も期待できますよ!
2)体も除湿する!
梅雨時期から、私たちの体の中も湿気やすくなります。体が湿気ってくると熱を持つことがあるのですが、これを「湿熱」と言います。この湿熱が、四肢のだるさや関節痛、神経痛を悪化させる原因にもなります。そこで、2つ目のポイントは「体内の余分な水分を排出して除湿すること」。方法としては、適度に汗をかくことの他に、利尿作用のある豆類(豆腐や納豆でもOK)もおすすめ。また、食物繊維を多く含むゴボウや切干大根などで、腸の調子を整えることも大切です。
3)活性酸素から細胞を守る!
紫外線から体を守るため、この時期「活性酸素」が大量発生します。必要な活動なのですが、過剰に発生すると脳を含む正常な細胞まで傷つけてしまいます。そこで、3つ目のポイントは「抗酸化作用のある食材を取り入れ細胞を守ること」です。青魚やアマニ油、えごま油など、オメガ3脂肪酸を多く含む食材が最適。もっと手軽に取り入れるなら、クルミを!ポリフェノールも豊富で、抗酸化作用はトップクラスです。湿気で錆びやすい腸内環境の改善に効果がある上に、アンチエイジング効果も期待できます!
ふいに訪れる「虚しさ」に注意
夏は、五行の「火」の影響も受ける季節。火が燃え上がるように、体内の熱エネルギーが上昇し体温が上がります。気持ち的には、気が散漫する、なんとなく落ち着かない、陽気になる、などの特徴があります。普段行かない場所に出かけたり、会わない人に会ったり、楽しい予定が入りやすい時期でもあるので、テンションが上がることも多いかと思います。それ自体は、もちろん良いことです。しかし、夏の終わりが近づく頃に、突然訪れる「虚しさ」には注意しましょう。
夏の間に「火」が活発になり過ぎて、予定を詰め込み過ぎたり、テンションが上がり過ぎたりすると、気が消耗し、「気(エネルギー)不足」の状態になります。すると、なんとなく虚しさを感じる、やる気が起きない、などの感情が湧いてきます。肉体的には、疲れやすさ、倦怠感、食欲不振、軟便や下痢などの不調が出やすくなります。
不安やストレスを感じやすいご時世なので、ワクワクする時間も大切にしたいですが、くれぐれも無理は禁物。極端に生活リズムを崩したり、アイスばかり食べたりせずに、ある程度の生活習慣は保ちながら、エネルギーを消耗し過ぎないようにしましょう。ちょっとした意識が、秋~冬を元気に過ごすための準備になります。
夏の「睡眠トラブル」を解決
さすがに、エアコンをつけていないと寝苦しい日々も増えてきました。睡眠時のエアコン問題には、皆さんも苦労されていると思います。オフタイマーだと切れた時に暑くて目が覚めるし、つけっぱなしだと喉がカラカラ&体がだるい…。ご家族と同じ部屋で寝ている方は、設定温度でケンカになりかねません(笑)。
暑い夏でも快適に、質の良い睡眠が取れるように、いくつかのヒントを提案しますので、良かったら試してみてください!
寝室&布団が暑くて寝付けない
帰宅直後に寝室の準備を!
夜、家に帰ってきたら、寝室の枕と布団をめくって熱を逃がし、エアコンをつけて25度くらいに設定しましょう。単純に部屋も冷えますが、寝具の湿気が乾くので、寝ている間に汗を吸い取りやすくしてくれます◎
暑くて目が覚める(ケース1)
熱中症予防のためにもエアコンは夜通し使う!
節電も大切ですが、体を壊してしまっては本末転倒。温度を28度前後に設定し直し、室温を快適に保ちましょう。暑くて目が覚めて、汗をかいた体にエアコンをつけるのはNG。体が冷えるだけで余計眠れなくなります。
暑くて目が覚める(ケース2)
エアコンつけっぱなしが嫌な人はホットタオルで対策!
体温より熱くて蒸気が出るタオルで体を拭くと、気化熱を奪って体を適度に冷ましてくれます。わざわざパジャマを脱がなくていいので、足裏と足の指の間だけでも拭くとスッキリします。冷たいタオルは、返って熱がこもってしまうので逆効果です。
考え事が浮かんで眠れない
紙に書き出して一旦リセット!
夏の間は、ただでさえクヨクヨ考え込みやすい季節です。特に、今日明日で解決しないような問題を悶々と考えるのは避けたいところ。思い浮かんだことを、手帳やノートに書き出してアウトプットすると、考えが落ち着くきっかけになります。
寝なきゃと思うと眠れない
15分眠れなければ起きちゃいましょう!
寝られないという体験をすることで、「今夜も寝られないんじゃないか…」という不安から、ますます不眠を引き起こすことになりかねません。眠くなるまでゆっくり待つのも1つの方法。ただし、スマホをいじるのは脳が活性化するので控えてください。
足の裏が暑くて寝られない
日中に足首を回して血行促進!
寝る前は、深部体温を下げるため、抹消の血管を広げて手足から熱を放出します。しかし、足の血行が滞っていると熱がこもって熱く感じて寝付けない原因に。できれば、日中に足首をぐるぐる回しておきましょう。忘れちゃった時は、布団に入ってからでも良いので、足首回しをしてみてください。
「脾胃への労わり」&「睡眠の工夫」で、長い夏を乗り切っていきましょう。夏の間に健康を維持して、陽のエネルギーを育てておくと、冬になってからも冷えが原因の不調を予防できますよ!
代表 櫻井正智
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