心と体の健康

メンタルスパイス~脱センチメンタルな過ごし方~

皆さん、ココロとカラダをととのえてますか?10月に入ると、急に年末が近くなる気がするのは気のせいでしょうか。私事ですが、今月は僕の誕生月でもあります。毎年、誕生日には母に連絡し「産んでくれてありがとう」と伝えるようにしています。誕生日は人に祝ってもらうのが一般的ですが、産み育ててくれた母への感謝も忘れずにいたいものですね。新しい歳の一年も、ますます技術向上に励みながら、新たな取り組みにもチャレンジしていこうと計画していますので、引き続きよろしくお願い致します!

できなかったこと⇒できたこと・やったこと



10月とは言え、まだ半袖で過ごせる日もあるのでピンと来ないかもしれませんが、暦上では立秋(8月7日頃)~立冬(11月7日頃)までの期間を「秋」と捉えます。秋は、春~夏にかけて強くなっていた陽の気が鎮まり、陰の気と入れ替わる時期。自然の移り変わりと共に私たち人間もこの変化にも順応していく必要がありますが、さまざまな理由でうまく対応できないと、心や体に不調が起こってしまいます。

東洋医学では、春に種を蒔き、夏に繁栄させ、秋に収穫し、冬はその収穫をもとに過ごすことが、自然の摂理に沿った良い過ごし方とされます。秋は、活動的に過ごした夏の結果をゆっくり収穫していく時期です。夏の暑さが落ち着くと、なんとなく寂しい気持ちになり、やり残したことがあるように感じる方がいるかもしれません。しかし、今になって「あれもできてない」「これもできなかった」と焦ったり、後悔したりするのはあまり良くありません。視点を変えて、「できたこと」「やったこと」をきちんと確認しながら、朗らかに過ごす姿勢を心がけましょう。

冬の備えはお早目に



実は、秋は冬以上に「乾燥」に気を付けた方が良い季節です。「燥邪(そうじゃ)」と呼ばれる邪気が体に悪影響を及ぼす季節だからです。夏の名残りでいつまでも冷たいものを食べたり飲んだり、薄着をしたりしていると、体に潤いが不足する原因になります。すると、冬になってから風邪を引きやすくなり、肌がますます乾燥したりします。

体内の潤いや栄養補給は、飲み物よりも食べ物で補うようにしましょう。先月号でもご紹介しましたが、潤い補給には、梨・ぶどう・柿・りんごなどがオススメ。また、冬の寒さに備えて、イモ類・栗・お米・かぼちゃなどで元気を養うことも大切です。さらに、大根・ネギ・ショウガ・唐辛子などの辛味を少々摂り入れると、呼吸器官や肌を強く保てます。(※ただし、辛味は大量に摂り過ぎるとかえって乾燥を引き起こすので要注意!)

秋の肌は無防備!?



夏の間に緩んでいた肌(毛穴)は、秋にはまだ閉じていないと言う説があります。湿度が低くひんやりとした秋風は心地良いですが、肌には意外と負担がかかっている可能性があります。ゆるんだ肌(毛穴)から、乾燥や冷気が侵入し、冷えや咳などの原因になってしまうことも…。朝晩と日中の気温差が大きくなってきますので、ストールや一枚羽織るものを忘れずに持ち歩きましょう。ただ、冷たい風を直接肌に当てるのは控えたい反面、体内には新鮮な空気を積極的に送り届けたい季節でもあります。朝のきれいな空気を思い切り取り込んだ深呼吸は、この時期最も手軽で重要な養生のひとつです。

秋はたくさん「呼吸」しよう



すでに耳にタコができているかもしれませんが、呼吸は心と体をととのえる「きほんのき」です。東洋医学でいう呼吸は、単に大気中の酸素を吸って体内から二酸化炭素を吐き出すだけではありません。呼吸は肺によってコントロールされていますが、肺は呼吸を通して、「清気(せいき/外の空気)」を取り入れ、生きるために必要不可欠な「気(目には見えないエネルギー)」を生み出し、体内に巡らせる役割を担っています。肺の働きが弱くなると、呼吸が浅くなり、声が細くなり、体に力が入らず、気分が落ち込み、悲しみや憂いといった感情が強くなります。

呼吸には精神を落ち着かせる作用もあるとされています。緊張した時、怒りが湧いた時、それを鎮めるために深呼吸をすると思いますが、実際に気持ちが落ち着いてきますよね?感情は自然と湧くものですし、それをコントロールするのはなかなか難しいですが、呼吸は自分の意思でコントロールできます。イラっとしたら深呼吸、焦った時も深呼吸、落ち込んだ時にも深呼吸を思い出してみてください。

無理せずゆったりとしたペースで



お話しした通り、秋は収穫の季節。この時期は、「何か新しいことを始めよう!」と意気込むよりも、むしろエネルギーを消耗しないように過ごす方が良いです。早寝早起きする、ハードな運動は控える、何事も無理してやり過ぎないなど。ついつい頑張ってしまいがちな方は、特に意識してペースダウンしましょう。例えば、自転車を漕ぐスピードをゆるめてみる、いつもよりゆっくり歩いてみる、一杯のお茶をじっくり味わってみる。ちょっとしたことが、忙しない心に余裕を生んでくれます。

センチメンタルになりやすい秋におすすめのストレッチ&ヨガ3選



日照時間の減少や気温の低下と共に、センチメンタルな気持ちになりやすい秋。空気の乾燥により弱りやすい「肺」「大腸」の経絡をやさしく刺激するストレッチやヨガのポーズで、心と体を整えましょう♪

1.<じっくり手首ストレッチ>

「肺」「大腸」の経絡は、指先~手首~肘~肩のライン。手首に集中した主要なツボを刺激しましょう。

1) つま先を立てた四つん這いになります(肩の下に手首が来る位置が目安)
2) 右手の指先を外側に向けながら回転させ、指先を自分の膝の方に向けます
3) 手首の内側が伸びているのを感じながら、ゆっくり呼吸を続けましょう
4) ストレッチを深めたい時は、吐く息に合わせてお尻をゆっくりかかとの方に引いてみてください
5) 元の四つん這いに戻り、今度は、手の甲を床につき、指先を膝の方に向けます
6) 吐く息に合わせてお尻をゆっくりかかとの方に引き、手首の外側をストレッチします
  ※肘を少し外側に開きながら行います
7) 四つん這いに戻り、左手も同様に行いましょう

2.<ぐるぐるスッキリ肩回し>

大きく肩を回して、鎖骨~肩にかけて「肺」「大腸」の経絡を刺激します

1) 左脚を開いた片脚の開脚で座ります
2) 吸いながら右腕を横から上げて、吐きながら体を左に倒します(左手は左脚の上に置きます)
3) 体を倒したまま、右腕をゆっくり大きく何度か回します(背泳ぎの方向に回しましょう)
4) 動かしていた腕を背中側に倒して、胸を開きながら呼吸します
5) 右腕を耳の横に伸ばしてから、吸いながら体を起こし、吐きながら腕を下ろします
6) 脚を入れ替えて、反対側も同様に行います

3.<胸を開いて前向きになるポーズ>

力強く胸を開いて深く呼吸できる体に調整し、気分も晴れやかに!

1) あぐらで座ります
2) 体の後ろで指を組み、手の平・手首・肘を寄せ、胸を開きます
3) 吸いながら組んだ手を背中から遠ざけ、吐きながら胸と顔を軽く上に向けます
4) 手をお尻の方に引き、肩の力を抜いて、3呼吸程度を繰り返しましょう
5) 顔を正面に戻し、指をほどいたら、手を脚の上に乗せてしばしリラックスします

いかがでしたか?気に入ったものだけでも大丈夫なので、お仕事や家事の合間に、良かったら取り入れてみてくださいね。ちょっとしたことですが、体がスッキリして気分が切り替わるきっかけになってくれると思います◎

代表 櫻井正智

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