心と体の健康

ココロとカラダをととのえる~「頑張らない自分」を受け入れる方法~

皆さん、ココロとカラダをととのえてますか?
ようやく暦通り秋の気配を感じるようになりましたね。仕事を終える帰り道では、鈴虫やマツムシが気持ち良く鳴いています。疲れた一日が癒される瞬間でもあります。この時期はどうしても昼間と夜との寒暖差も大きくなるので自律神経も乱れやすくなります。“呼吸”が大切な秋の季節。ゆったりと大きな“呼吸”を心掛け、ココロとカラダをととのえましょう。

さて、今回はお客様から相談の多かったテーマ「頑張り過ぎる自分」との向き合い方です。よろしければ、参考にしてみてください。皆様のココロが少しでも軽くなったら嬉しいです。

「思い込み」が「サボる」と感じさせる



結果だけではなく「頑張った」過程を大事にするという価値観は、日本人の根底に根強くあるのかなと感じています。「リラックスして」「頑張らないで」「力を抜いて」と言われても「頑張ること」に慣れている人にとって「頑張らないこと」「力を抜くこと」は難しいと思います。力の抜き方が分からない頑張らないとサボっている気がしてしまう…そう考える方も多いのではないでしょうか。

小さな頃から「頑張ればうまくいく」「頑張って!」と声を掛けられて育ってきた人が多く、頑張ることに大きな価値があると信じ込んでいませんか?頑張ること自体は、とても良いことだと思います。しかし、「頑張らなきゃうまくいかない」と思い込んでしまうことは、自分自身を窮屈にし、追い込んでしまい、不自由にしてしまいます。頑張ることがカラダに染みついている頑張り屋さんは、どうしたら楽になれるのと思いますか?

ポイントは「遊び」=「ゆとり」を持つこと



車の運転で説明してみます。ハンドルを持つ手に力が入り過ぎている。もしくは、肩から腕全体にまで力が入っているとします。この状態では上手く車を運転できません。右にも左にも、曲がるのに一苦労です。きっとカラダごと動いていますね(笑)。車を操作するには運転者の力が抜けていないと始まりません。つまり、ハンドルを握る手や肩に力を入れて運転するのではなく、ハンドルを優しく握り、肩の力を抜いて余裕のある状態にする。カラダに「遊び」を作る。この遊びがあることで、運転を楽にさせて長時間のドライブを可能にしてくれます。

頑張り過ぎるタイプの方は、この「遊び」がないことが多いです。「しっかり安全に運転しなきゃ!」と思うことにより、カラダが緊張して力が入る。緊張すると筋肉は硬くなるので、動きにも影響を与えてしまいます。この力みと緊張は「頑張ること」によって生まれてしまいます。リラックスし力を抜くことができれば、いつでも良いパフォーマンスを出すことができるはずです。これは車の運転だけではなく、日常生活や仕事にも共通することだと思います。

本当に「頑張ればうまくいく」??



まず、そもそも「頑張ればうまくいく」というのは本当でしょうか?私の経験からすると、違うことが多いなと思います。誤解してほしくはないのですが、適度な頑張りはもちろん必要です。ただ、頑張り過ぎてしまうと、もともと持っている能力をうまく発揮できず、目標達成できないことになるように感じています。自分が望む目標に向けて頑張っているのに、結果的にはその頑張りが余計に目標達成を遠ざけてしまう…。空回りして、そのうち疲れてもがいてしまう。多くの頑張り屋さんはこの様なタイプではないのでしょうか?

緊張せずにリラックスしたい。ほどほどに頑張りたい。頑張り過ぎないでいられたら、もっと自分は楽になるのに・・・。分かっている、でもできない。「頑張ることが当たり前」の人生を送ってきたから、頑張らないことは難しい課題。頑張らないことを頑張らなきゃ・・・といった頭が混乱する状態になってしまいます。これって本末転倒です。

「ストレス」と「リラックス」のバランスが大切



頑張る自分を否定するのではなく、肯定的に捉えながらも力を抜くことができたら良いですよね。そのためには、まず、<ストレスとリラックスの関係性>からお話します。このストレスとリラックスというのは、本来どちらも大切で、良いとか悪いとかではありません。ストレスというと、私たちの日常生活では良い意味では使われませんが、ここでは心身の集中力が高まっている状態を指します。ストレス時は自律神経のうちの交感神経が活発になり、カラダは集中力を高めるために緊張状態になります。

※余談になりますが、普段私たちが感じるストレスとは「心理・社会的ストレッサー(人間関係や職場・家庭の問題)」によるストレスで、イライラ、不安、抑うつ、頭痛、肩こり、腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、不眠などさまざまな症状を起こしてしまいます。

対して副交感神経が活発になり、カラダが弛緩(しかん/緩んでいる状態)している時が、リラックスと呼ばれる状態になります。リラックスすることでカラダはストレスから解放されて、集中力を回復させます。ということは、集中力を高めるためには、交感神経と副交感神経のバランスを保ち、適切に切り替えることが重要になります。

自由形(クロール)で泳ぐ姿を思い浮かべてみてください。長い時間泳ぐためには、泳ぎの合間にリズムよく息継ぎする必要があります。息継ぎしなければ息が苦しくなり泳ぎが続けられませんし、息継ぎばかりでも泳ぎが続けられません。泳ぎには息継ぎを必要で、息継ぎによって泳ぎが続くように、リラックスとストレスの関係も同じようにバランスが大切で、切っても切り離せない関係にあります。

「頑張る」+「緩める」=「うまくいく」



カラダだけでなく、思考や行動、生活全体に対しても同じことが言えます。ストレスとリラックスのバランスが取れた時、私たちは心身共に心地良く感じるようにできているし、能力を最大限に発揮するようになっています。

この関係性と、頑張り過ぎることで生まれる影響を理解することが大切です。「頑張ればうまくいく」という思い込みがあるようであれば、「頑張った分、緩めた方がうまくいく」という新しい価値観を自分に覚えさせてみましょう。

子どもの頃に「頑張って!」と、親や周りから受けた言葉を、知らず知らずのうちに今の自分にも念じていませんか?それとも、頑張らないことは罪悪だと思っていませんか? 幼い頃から、頑張って褒められたり、認められたりした体験は、成功体験として心の深い部分に大人になった今も残っています。「頑張らない自分は認められない存在だ」という思考が根本にあると、リラックスすることはとても難しいものです。

どんな自分も受け入れる<自己受容>の感覚



頑張っている時の自分だけに価値を置くことなく、頑張らない自分も受け入れること。ヨガの世界では、ヨガをすることは<自己受容>する力を育てると言われます。自己受容とは、「どんな自分でも大丈夫」「どんな自分でも受け入れる」と思える感覚です。ヨガを体験することで、この「どんな自分でも大丈夫」という感覚を養っていくことができます。

ヨガをされていない方でも「どんな自分でも大丈夫」という感覚を、頑張り過ぎてしまう時や頑張っていない自分を責めてしまう時に思い出してみてください。リラックスしようと試みても難しい場合は、ココロの深い部分に働きかけることが大切です。「どんな自分でも大丈夫」と頑張らない自分も受け入れていきましょう。それが能力を最大限に発揮できる方法で、頑張り屋さんが楽になるキーワードだと思っています。

真面目であることも、頑張ることも、とても大切なことです。頑張り屋さんの気質が、自分を苦しめたり、疲弊させたりするのではなく、自分を安心させ、輝かせるもためにも、この新しい価値観を覚えてみませんか?

代表:櫻井正智

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