心と体の健康

メンタルスパイス~若さを保つ「腎」ケア~

皆さん、ココロとカラダをととのえてますか?先月号はお休みしてしまいましたが、その間に一気に季節が進みましたね。10月半ば、急に気温が下がって、僕も慌ててコートを出しました。空気もかなり乾燥してきているので、肌がカサカサしたり、喉がイガイガしたりしている方、多いのではないでしょうか。そんな中、緊急事態宣言が解除され、リモートワークから出社になった方もいるようです。久々の通勤疲れ、職場での人間関係にストレスを感じている方もいらっしゃることと思います。生活の変化に慣れるまで、少し辛いかもしれませんが、状況を受け止め、無理せず少しずつ、また慣れていきましょう。

さて、11月に入ると、早いもので暦上は冬へ突入します。季節の変わり目も大きく体調を崩したりしないよう、早め早めのケアを心がけたいものです。今回は、冬の経絡「腎」のケアについてお伝えしますので、是非参考にしてみてください!

冬は「蓄え」の季節



「陰陽」の「陰」が最も深まる冬は、エネルギーを蓄えようと体が働きます。遺伝子が、寒い時期は食べ物が少なくなると想定し、脂肪を溜め込むよう判断します。東洋医学では、この働きを「閉蔵(へいぞう)」と言います。

人間だけではなく、草木は枯れ成長するのを休み、動物や虫たちも活動をやめ冬眠に入ります。これは、芽吹きの春に、また元気よく活動するための準備。私たち人間も同様に、冬は余計なエネルギーを使わないよう心がけることが大切です。緊急事態宣言が解除になって、お出かけや人との約束が増えているかもしれませんが、あまり予定を詰め込み過ぎるのは控えた方が良いでしょう。

冬は「腎」のケアが最重要



生命エネルギーの源と言われる「腎」。この働きが弱くなると、生命活動を司るあらゆる臓器にも影響し、骨や歯がもろくなったり、髪の毛が細くなったり、記憶力が低下したり、いわゆる「老化」が進むきっかけになってしまいます。腎は、とにかく寒さが苦手です。そのため、冬は、どうしても腎の気が消耗しやすい季節なのです。

では、どうやって腎をケアすれば良いのでしょうか?一番簡単で効果的なのは、体を温めることです。特に、腎の経絡が流れる「足裏~足首」を冷やさないことが大切です。冬でも短い靴下を履いたり、家の中を裸足でいたりすると、腎の気を弱らせる原因になります。

足首がきちんと隠れる靴下を履く、家の中ではレッグウォーマーなどで足首を冷やさない。それから、お風呂上りにドライヤーで髪を乾かすついでに、最後に足裏を温めるのも気持ちが良いです。布団に入ってからでもいいので、足首をぐるぐる回すのも、この時期にオススメのセルフケアです。

骨作りの仕組み



東洋医学では、腎は骨と関係があります。年を重ねると骨が弱くなり骨折が増えたり、骨粗しょう症になったりする方がいますね。これは、腎の気が加齢とともに減っていくからです。

そもそも、人間の骨というのは、3~5年毎に新しく生まれ変わると言われています。骨を「壊す→作る」を繰り返して、丈夫な骨を維持しようと細胞が働いてくれているんです。骨には「骨を作る細胞」と「骨を壊す細胞」があるそうなのですが、そのバランスが崩れると、新しい骨が作られず、骨の量が足りなくなります。どうしてバランスが崩れるのでしょうか?実は、あることが原因で「骨を作るのをやめよう」という指令が出過ぎてしまうからなんです。

骨と記憶力の関係



そのあることとは、「骨にかかる衝撃(骨振動)」があまりにも少ないこと!新しい骨を作るかどうか、骨を作るペースの判断基準は、骨にどれだけ衝撃がかかっているか、なんだそうです。なので、あまりにも座っている時間が長かったり、歩いたり運動したりする時間が少ないと、新しい骨が作られなくなってしまうんです

近年、骨と記憶力の関係性に注目が集まっています。ある研究でわかったそうなのですが、骨が出すメッセージ物質には「記憶力」「筋力」「免疫力」「生殖力」などを若く保つ力があるのだそうです。骨の量が減ることで、そのメッセージが全身に送られず、記憶力をはじめとした、若さに関わるあらゆる機能を低下させる原因になってしまうことがわかっています。

骨を丈夫にし、記憶力を保つには?!



結論から言うと、骨に、ある程度の衝撃(振動)を与えることです。これがどれだけあるかが、骨作りの判断基準になるからです。アメリカのある研究によれば、日頃の運動で自転車に乗る人と、ジョギングをする人の骨量を測ったところ、骨粗しょう症予備軍の割合には3倍以上も差があったそうです。おわかりの通り、ジョギングに比べて自転車は骨にかかる衝撃が少ないので、自転車に乗る人の方が骨粗しょう症になるリスクが高いことがわかりました。

ご自分の生活を振り返ってみてください。コロナ禍の影響で、自宅にいる時間が増えて、骨にかかる衝撃が減っていそうではありませんか?

記憶力・免疫力・若さをキープするコツコツ体操


骨に衝撃を与えるには、歩くこと・走ることの他に、ジャンプ、ヨガやストレッチなどの軽い運動なども効果的です。目安としては、週に3回、30分程度。買い物などで外を歩く時も、かかとからきちんと足をついて意識的に歩くことで、より効果的に振動を与えることができます。一気に30分時間が取れなければ、15分ずつに分けてもいいですね。大事なのは、続けることです。



寒くなってきたし歩くのはちょっと…という方には、↑のイラストのように、つま先立ちから、かかとを一気に床に落とす運動がオススメ。膝に刺激が入り過ぎないように、かかとをつく時は軽く膝を曲げてもOKです。それも面倒くさい…という方は!手で届く範囲で、全身をやさしく叩いてみてください。

ご紹介したいずれも、骨への衝撃はもちろん、骨振動を通じて腎の気の刺激にもなります。血流や体液循環アップも期待できますので、冬のセルフケアにもオススメです。あなたに合った方法で、是非試してみてください。近いうちに「ゆらりらオリジナル☆コツコツ体操」もYouTubeにアップする予定です。そちらも参考にしてくださいね。

冬の過ごし方が若さを決める



今回は、骨の働きと関連付けた冬の養生をご紹介しました。体を冷やさないこと、骨に振動を与えること、これが「腎」そして「骨」を強く保つきっかけになります。そして、冬にこれらのケアをすることは、記憶力をはじめ、若さを維持するあらゆる機能にも影響を与えます。ずばり、冬の過ごし方が若さを左右するんです

年末にかけて何かとバタバタしがちですが、予定を詰め込み過ぎたりして余分なエネルギーは消費しないように気を付けましょう。そして、無理のない範囲で適度に体を動かし、ちゃんと食べて、ぐっすり眠る。基本的なことですが、ひとつひとつ意識して過ごすことが、私たちのココロとカラダを健やかに保ってくれるはずです。

代表 櫻井正智

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