心と体の健康

メンタルスパイス~早めの冬準備|映画「マイ・エレメント」に学ぶ“本当の気持ち”~

皆さん、ココロとカラダをととのえてますか?先月は、急に寒くなって慌ててジャンパーを出したのに、また日中は暑いくらいの気候に戻ったりして、毎日着るものに困ってしまいますね。朝晩の肌寒さと日中との気温差も激しい季節の変わり目。相変わらず、インフルエンザも流行っているようなので、薄手の上着やストールなどを持ち歩いて油断しないように気を付けましょう。

今年に入って、毎月のように小波津式の海外出張に同行させていただき、刺激と学びの多い日々を送っています。10月には、3回目の訪問となる「PSP進行性核上性麻痺」を患うクリスさんの元へ。以前にもお話しましたが、初めてお会いした時は、ほぼ寝たきり完全介護が必要な状態でした。さまざまな治療を試みるも、なかなか状態が回復せず、ついには安楽死の選択まで…。

そんなクリスさんでしたが、なんと今では、歩行器を使い、自らの意思で歩き回れるほどに回復されています。人間の生命力や可能性を目の当たりにした瞬間でした。詳しい様子は、また号外でご報告しようと思いますので、もうしばらくお待ちください!

「立冬」後の養生



今年は11月8日に「立冬」を迎えます。この日から、「立春」前日までが、最も「陰」の気が深まる季節です。下&内に向かう静的なエネルギーが強くなる時期に合わせ、私たちも心穏やかに、忙しく動き過ぎず、生命力を養い蓄えるのが理想的。年末に向けて、どうしても気忙しくなりやすいですが、そんな状態で過ごすと、ミスが増えたり、怪我をしたり、そんな自分にイライラしたりして、悪循環ですよね。こういう時期だからこそ、少し立ち止まって深呼吸しながら、穏やかさを取り戻すことが大切です。「思い出したら深呼吸」、合言葉です。

早めの「腎」ケア



冬と関連する経絡(けいらく=気の通り道)は「腎」と「膀胱」。特に「腎」は、生命エネルギーの源と言われ、一年を通してケアしたい重要な経絡のひとつです。「腎」は、とにかく寒さに弱く、冷えると途端にエネルギーが失われてしまいます。そのため、冬はとにかく冷やさない!当たり前のようですが、冬の間にきちんと意識して養生して、エネルギーを養い蓄えておくことで、春から夏の「陽」の季節を元気に過ごすことができます。ごく一部ですが、「腎」を元気に保つセルフケアをご紹介します。

【湯船に浸かる】

すでに習慣になっている方は素晴らしいです。忙しいとなかなかゆっくり浸かる時間がなく、シャワーで済ませてしまうこともあるかと思いますが、やっぱり湯船に浸かると体の温まり方が違いますよね。短い時間の入浴でも、ゆっくり呼吸しながら入ることで、より効率的に体が温まります。精神的なリラックス効果もありますので、できれば湯船に浸かることを意識してみてください。

【足首を冷やさない】

冬でも短い靴下を履いている人を見かけますが、自ら「腎」を弱らせているようなものです。「腎」は足の裏から内くるぶし、ふくらはぎ、膝の内側、鼠径部を通る経絡です。特に足首の周りには、「腎」以外の重要なツボも集結しています。長い靴下を履く、家の中でもレッグウォーマーや足首ウォーマーをつけるなど工夫しましょう。寝る前、布団に入ってから、クルクル足首を回すことも、これからの時期おすすめのセルフケアです。

【腎を助ける食材を摂る】

ショウガ、ネギ、ニンニクなど、体を芯から温める食材は常備しておきたいですね。もちろん、チューブでも良いですが、余裕があれば生のものを。飲み物も、コーヒーや緑茶よりも、紅茶が体を温めてくれます。それから、「腎」を強くする食材もチェックしましょう。黒豆、黒米、黒きくらげ、わかめなどの黒いもの。そして、海老、鮭、牡蠣などの魚介類。味付けには味噌を使うのもおすすめです。


ピクサー最新作「マイ・エレメント」に学ぶ

~あなたは自分の気持ちに素直になれていますか?~


『マイ・エレメント』©2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

本年8月に日本でも公開された映画「マイ・エレメント」をご覧になりましたか?私は映画館で上映中はタイミングを逃してしまったのですが、今回メルボルンまでの機内でたまたま見つけて、ようやく観ることができました。胸がキュッと熱くなるような感動的で素晴らしい内容でしたし、メンタルコーチという立場から観ても、学びのある映画だと思ったので、皆さんにシェアしたいと思います!

[ストーリー]
舞台は、火、水、土、風のエレメント(元素)たちが暮らすエレメント・シティ。家族のために火の街から出ることなく、お父さんのお店を継ぐ夢に向かって頑張っていた火の女の子エンバーは、ある日偶然、自分とは正反対で自由な心を持つ水の青年ウェイドと出会います。ウェイドと過ごす中で、エンバーは初めて世界の広さに触れ、自分の新たな可能性や、本当にやりたいことについて考え始めます。外の世界に憧れを抱き始めたエンバーでしたが、「違うエレメントとは関わらない」というルールや、「父の後を継ぐ」というレールが立ちはだかります。果たして、エンバーが選んだ人生の選択とは…?


『マイ・エレメント』©2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

【本当の気持ちに蓋をしたエンバー】

小さい頃から「お父さんのお店を継ぐ」ことが当然と思っていたエンバー。家族もそれを期待していたし、本人もそれに応えたいと頑張っていました。もちろん悪いことではないのですが、子育ての観点から見ると、これはある意味刷り込みで、(ちょっと強い表現ですが)子供から人生の選択肢を奪っているとも言えます。ウェイドとの出会いによって、どんどん興味や視野が広がるエンバーですが、「他のエレメントとは関わるな」という刷り込みもあり、気付き始めた自分の本当の気持ちに蓋をしてしまいます。すると、もとから怒りのコントロールが上手ではなかったエンバーは、ますます怒りの感情を抑えられなくなってしまいます

【自分自身からのサインを見逃さないで】

これは、私たちにも当てはまります。例えば、親にそう言われてきたから、周りがそうだから、そうすべきではないから、などと本当に思っていることを我慢することはありませんか?エンバーの場合、その反動が炎という形で現れましたが、私たちにとってはそれが、肩こりや頭痛という体の不調だったり、イライラや落ち込みといった心の不調として表れることがあります。体の不調というのは、体の使い方によるものだけではなく、精神的なストレスや我慢、プレッシャーなどが原因となり、体がSOSを出しているサインとも言えるのです。


『マイ・エレメント』©2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

【開放の家族と我慢の家族】

感情を素直に自由に表現するウェイドやその家族との出会いは、エンバーにとって衝撃だったと思います。それぞれが自分のやりたいことをやって、悲しみや喜びの感情を開放し表現し合っている姿も新鮮だったかもしれません。エンバーの家族は怒りを押さえ、お互いに本心は語らないような我慢の家族だったから。あなたの家庭は、どちら派ですか?決して、どちらが良い悪いと決めつけるわけではありません。口に出さずに思い合っていることもあると思います。だけど、それならなおさら、言葉にして伝えることも大切だったりします。

【やらない理由付け】

エンバーは、ウェイドとの交流を通して、「そう決められているから」という思い込みが、本当の気持ちと向き合わない、行動を起こさない理由付けに過ぎないことにも気付いたのでしょう。そしてこれも、私たちに当てはめられますよね?例えば、時間がないから、お金がないから、もう歳だから、などと理由をつけてやろうとしていないことはありませんか?本当はずっとやってみたいのに。そうやって本当の気持ちに嘘をつくことを繰り返すことも、やがて心や体の不調になって返ってきてしまうのです。


『マイ・エレメント』©2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

【人生はこれから!】

大人になればなるほど、「だって」「どうせ」と、やらずに諦めてしまうことが増えるかもしれません。「親だから」「立場的に」など自分の役割がブレーキをかけていることもあるかもしれません。でも実は、関係ないんです。自分が本当に思っていること、感じたこと、やりたいこと、それを素直に表現したり行動に移したりできた方が、きっと人生は豊かになります。もちろん、すぐに環境を変えることは難しいこともあるでしょう。それなら、その環境の中で自分の捉え方や物事の視点を変えて、楽しさや豊かさを探してみることも大切。

これから人生の選択を迎える子供たちにとっては、自分の気持ちを伝えることの大切さを学んでほしいし、大人は大人で、もう一度「自分の人生」を見直すきっかけになるような、素敵な映画だったなと思います。僕も50歳になって、こんなに色んな国を飛び回るなんて思ってもみませんでしたよ(笑)。やってみると案外イケるじゃん!ってこと、結構あると思います。一緒に自分の人生を楽しみましょう。

★偶然にも11月1日~「ディズニープラス」で配信が始まったそうです!ご興味があれば、ご覧になってみてください!
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