みなさん、ココロとカラダをととのえてますか?
4月から新年度が始まったり、人事異動で新しい出会いがあった方も多いでしょうか。お子様が新学年や社会人をスタートされた方もいらっしゃいますね。(おめでとうございます^^(^^♪)
早いもので、すでに桜も散り、物悲しさを感じる時期になりました。また、緊急事態宣言は明けたものの、地域によっては第4波が押し寄せ、不安感の消えない日々が続きそうです。この「不安」という感情は、やがて「怒り」につながってしまう可能性があります。そこで今回は、春の特徴でもある「怒り」についてお話します。
春は「肝」の不調が出やすい季節
前号でもお伝えしましたが、春は「肝」の気が不調を起こしやすい季節と言われています。冬に溜め込んでいたものを、一気に解毒&代謝させようと頑張ることで、肝の気が動き過ぎることが原因です。東洋医学的な「肝」の働きは、血液の貯蔵や血量の調節、全体の気の調節とされています。代表的な不調の症状としては、イライラする、ついカッとなって怒る、感情の起伏が激しくなる、胸の苦しさ、消化不良、目の疲れ・かすみ、めまい、不眠、月経のトラブルなどが挙げられます。
特に感情的には「怒り」が出やすく、自律神経は交感神経が優位な状態になります。心拍数が上がり、血圧が上昇し、血管に負担がかかります(人によっては、動脈硬化、心筋梗塞、脳出血を引き起こす原因にも)。また、五行の「相克関係(五行がそれぞれ補ったり攻撃したりする関係性のこと)」により、怒り続けることで、消化活動に影響を与え、食欲不振・食欲過多などの症状を引き起こします。さらに、交感神経が疲れて、副交感神経とのバランスが取れなくなり、うつ病に発展してしまうこともあります。
春はとにかく“のんびり”がポイント
「肝」は全体の気のめぐりを調節してくれる非常に重要な経絡です。肝の気のめぐりが良くなることで、あらゆる邪気(春は特に風の邪気)が体に入ってくるのを防ぎ、きちんと思考を働かせることができるようになり、疲労やストレスを受けにくい状態になります。最も大切な春の養生は、できるだけストレスを避け、のんびりゆったりと過ごすことです。深呼吸したり、ふらっと散歩をしたり。ヨガやストレッチで体側を伸ばしたりすることも役に立ちますよ!呼吸に関しては、五行の関係からも「怒り」を抑えてくれます。ココロとカラダをととのえる上で、呼吸は基本の基と言えるのです。
そもそも「怒り」とは?
自律神経を整える、というキーワードがこの一年でさらに注目されていますね。怒りは自律神経の大敵と言えます。そのため、怒りの正体を突き止め、上手に対処し付き合っていくことが、ココロとカラダを健やかに保つ重要なポイントです。
怒りとは、それ単体では生まれない感情です。怒りの裏側・根底には、別の感情が潜んでいるのです。例えば、悲しい、寂しい、辛い、不安、戸惑いなどです。子供が何度言っても宿題に手をつけないので、「早くやりなさい!」と怒鳴るとします。しかし、その裏側には『話を聞いてもらえなくて寂しい』という気持ちや、『勉強についていけなかったらどうしよう』という不安な気持ちが潜んでいるかもしれません。本当は、何に対しての怒りなのか?裏側・根底にある感情は何のか?を知ろうとすることが大切です。
「怒り」との上手な付き合い方
感情そのものが悪ではありません。これは、怒りに限りませんが、感情的に行動したり、感情を抑え込んでしまうことが、ココロとカラダにも良くないのです。対処の仕方、出し方(伝え方)を工夫することが大切です。
【その1】「怒り」を4つに仕分けてみましょう
①まずは、自分の力や行動で「変えられるか」「変えられないか」の2つに分けます
②さらに、「重要か」「重要ではないか」に分類し、4つの仕切りを作りましょう
●変えられる+重要
→今すぐ行動する、優先順位を決める、計画を立てる
●変えられる+重要でない
→余裕がある時にする、どの程度で気が済むか決める
●変えられない+重要
→変えられない現実を受け入れる、できることに意識を向ける
●変えられない+重要でない
→放っておく(怒りを向けても意味がない)
自分ではどうしようもないことに怒るのは、時間も労力も自分自身をもすり減らしてしまいます。ただ、だからと言って我慢するというのも違います。朝、起きたら雨が降っていてイライラするのなら、きちんと天気予報をチェックしておくとか、移動中は目を閉じて深呼吸するとか、怒りを回避する行動を探してみます。自分ができることに意識を集中して、怒りに支配されないように工夫しましょう。
【その2】「怒り」の伝え方を見直してみましょうb
①“してほしくない言葉”を使っていませんか?
感情に任せて話すと、表現が否定的になって相手の怒りを買ったり、言った自分も後で後悔したりします。また、感情的になってはいけないと思い、伝えること自体を飲み込んでしまうことも、カラダに良くありません。
[NG] 「~しないで」「前にも言いましたけど」「前から思ってたんですけど」「どうしていつも~」
[例]「いい加減YouTube見るのやめなさい!どうしていつも宿題を後回しにするの!」
②“してほしくない言葉”から“してほしい言葉”に変換してみましょう
文句を言ったり、叱ったりするのではなく「お願い形式」に変換してみましょう。ポイントは、「なるべく丁寧に」「できるだけ明確に」です。これも訓練なので、できそうな相手から練習してみると習慣になってくるはずですよ。
[OK]「~をお願いします」「~でどうでしょう」「~してほしいんだけど」「~たら嬉しいな」
[例]「宿題やってからゆっくりYouTube見るっていうのはどう?」
ドキッとしましたか?(笑)ついつい使っている言い回しがあったかもしれません。逆の立場に立てば、どういう言い方をされたら気持ちが良いかは明らかですよね。変えられるのは、あくまでも、自分の捉え方(怒りとの向き合い方)と行動です。
新しいやり方を覚える
誤解がないようにひとつ。「変わろう」「変えよう」と思うことは素晴らしいですが、今までの自分のやり方が間違っていたと否定する必要はありません。今までは今までのやり方で、これから新しいやり方を覚えていくんだ、という気持ちでチャレンジしてみてくださいね。
そして、それは、誰のためでもなく、あなた自身のための行動です。良くない環境を変えようとするのではなく、あくまでも自分が良い環境で過ごしたいから、相手と良い関係を築きたいから、という自分視点で考えてみてください。そうやって自分のために行動し続けることが、いずれ望む未来へとつながっていくのだと思います。
他にも、感情との向き合い方には方法がありますので、詳しく知りたい方は気軽に声をかけてくださいね。また、現在、動画配信サービスも密かに準備中です!そちらでも、どんどん発信しますので、楽しみにしてください。皆様のココロとカラダをととのえるヒントになれば幸いです。
代表 櫻井正智
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