心と体の健康

メンタルスパイス~梅雨をご機嫌に過ごす方法~

皆さん、ココロとカラダをととのえてますか?「もう梅雨入りしたのかな?」と思うような、雨の多い5月でしたね。そして、いよいよ本格的に梅雨の始まり。僕の一番苦手な季節に突入します…。僕は雨に濡れるのがあまり好きではないので、少しの雨でもすぐに傘を差しますが、皆さんはどうですか?寒暖差も少しずつ小さくなり、蒸し暑いような日も増えてきましたので、たまには少しくらい雨に当たるのも、意外と気持ちが良いかもしれませんね?!

「気象病」の正体とは?



雨が多くなるこの時期、私たちを悩ませるのが、気候や気圧の変化による不調。いわゆる「気象病」です。人によって起こる不調はさまざまで、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、関節の痛みなどが挙げられますが、中でも多いのが頭痛ではないでしょうか。頭の一箇所がズキズキ痛む・・・こめかみのあたりが締め付けられるように痛くなる・・・一言に「頭痛」と言っても、感じ方もそれぞれです。

そもそも、どうして天気によって不調が起こるのでしょうか?原因のひとつは「自律神経の失調」です。このメンタルスパイスでもよく登場してきましたが、自律神経は、呼吸や血液循環、消化機能、体温調節などを通じて、私たちの体調を保つために機能しています。感じやすい例として、暑い時に汗をかいて熱を冷ましたり、寒い時に体をブルっと震わせて温めようとしたり、これは自律神経の働きです。

そして、この自律神経は、気温や気圧の影響を受けやすく、季節の変わり目や梅雨などに過剰に働き過ぎることが、さまざまな不調の原因になります。

「水毒」も頭痛の原因に



東洋医学では「気・血・水」の3つの要素が体の中を巡っていると考えます。気は目に見えないエネルギー、血(けつ)は大雑把に血液、水は汗やリンパ液など血液以外の体液を指します。この中の「水」の循環が悪くなった状態を「水毒(すいどく)」と言います、気象病は、水毒によっても起きると考えられています。

頭痛は、血液の中に水分が溜まって血管が拡張し、神経を圧迫することで起こります。そのため、外気の湿度が高く、体の中にも余分な水分が溜まりやすい梅雨の時期には、特に頭痛が起こりやすくなるのです。※低気圧によって普段より体に気圧がかかっていないため血管が膨張し、神経を圧迫するという考え方もあります。

あなたの頭痛はどっち?



冒頭でもお話したように、頭痛と言っても感じ方は人それぞれ。代表的なものとして、頭の片側だけがズキズキ痛むような片頭痛があります。一方、頭全体やこめかみのあたりがギューッと締め付けられるような、緊張型頭痛と呼ばれるものも。緊張型頭痛の場合は、血管の拡張が原因ではなく、首の後ろや後頭部が収縮・緊張して起こるものと考えられます。気候や気圧の変化で、体への影響の受け方、自律神経の働き方に個人差があるというわけです。そのため、頭痛の種類によって、その対策も異なります。

片頭痛がある人

<軽く汗をかいて体内に溜まった水分を外に出しましょう>



◎朝食前にラジオ体操・ヨガ・ストレッチなどで体を温める
◎いつもより大股or早歩きを意識する
◎10~15分程度しっかり湯船に浸かる
 (深呼吸すると汗をかきやすくなりますよ)

緊張型頭痛がある人

<首・肩周りがガチガチにならないように注意しましょう>



◎起きたら布団の上で首と肩を回す
 (ゆっくり3~5回程度でもOK)
◎作業中に目を閉じて深呼吸&首を温める
 ※パソコン作業が多い人は特に!
◎10~15分程度しっかり湯船に浸かる
 (入浴後はすぐに髪を乾かして首肩を冷やさないように)

暑くなってくるとシャワーで済ませることが増えるかもしれませんが、頭痛予防のためにも湯船に浸かることは大切です。シャワーの場合でも、首に30秒ほどお湯を当てると血流が良くなりますよ。

かんたん体内湿気チェック



気象病の話をしてきましたが、中には気圧の影響を受けにくく、頭痛に悩まされずに済む人もいると思います。しかし、そんな人でも、梅雨は体の中に余分な水分が溜まっている可能性は高いです。体内に余分な水分が溜まっているか簡単にチェックする方法があります。それは、自分の「舌」を見ることです。

☆チェックポイントは2つ☆

「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる舌の表面にできた苔のようなもの、それと「舌の形」

◎健康な舌:「全体的にピンク色」「白く薄い舌苔がある」

それに比べて・・・
▼舌苔:「分厚く湿っている」

▼舌の形:「舌の縁に歯形がついてボコボコしている」


このような状態は、体内に余分水分が溜まり、むくんでいるサイン!歯磨きの時にチェックしてみてくださいね。

食材選びで湿気取り



梅雨~夏にかけては、「水」の循環を良くして、水はけのよい体を作ることが大切です!オススメの食材は、<豆・瓜・海藻>です。東洋医学では、はと麦や黒豆などの豆類、きゅうりやゴーヤなどの瓜類、わかめや昆布などの海藻類は、体内の水循環をサポートしてくれると言われています。

豆類は食べるだけではなく、お茶だとより手軽に取り入れられますね。一般的な麦茶よりも「はと麦茶」の方が効果は高いので(お値段は少し上がりますが)、良かったら試してみてください。ゴーヤは苦みが苦手な人も多いかもしれませんが、中のワタをしっかり取り除けば苦みが和らぎます。ミネラル豊富な海藻類は、乾燥タイプを水で戻せば簡単。これからの時期は、夏野菜を塩昆布で和えて、少量のごま油やオリーブオイルをかければ手軽に一品出来上がりです。

気持ちを落ち込ませない方法



ジメジメした天気が続くと、なんとなく気持ちまで落ち込みがち・・・なんてこともありますよね。梅雨~夏にかけて、体内に水分が溜まったり、消化器系の「脾」が弱くなったりすることで、「思い悩む」「考え過ぎる」という感情が湧きやすくなります。そんな気分を晴らそうと、コーヒーやアルコール、甘いお菓子、スナック菓子などを摂り過ぎるのは、かえって「脾」を弱らせ、ネガティブな感情を長引かせるきっかけになってしまいます。

梅雨の間は、普段ストレス解消や息抜きのために良かれと思って(もしくは罪悪感を抱きながら)口にしているものを、思い切ってやめてみましょう。特に注意したいのは、甘味です。料理や飲み物に甘みを加えたい時は、砂糖ではなく「オリゴ糖」を代用すると良いです。野菜ジュースやスポーツドリンクにも多くの砂糖が使われているので、飲み過ぎには要注意。

他に控えてみると良いのは、小麦粉、カフェイン、ポテトチップスやアイス、チョコなどの高脂肪食品、そして、アルコール。どれも依存性の高いものなので、急にやめるとかえってストレスになったり、他のものを欲したりします。いつも何気なく摂っているとしたら、少し意識して制限してみると、ココロとカラダの調子が整いやすくなりますので、無理のない範囲で工夫してみてくださいね!

モヤモヤ・ざわざわした気持ちが消えない時は



生活習慣を意識してもやっぱり気分が晴れない・・・ということもありますよね。私たちは、日々いろんな出来事に対して落ち込んだり、不安になったり、憤ったりします。それ自体は、自然な心の反応ですが、感情に任せて行動したり、いつまでもネガティブな感情から抜け出せなかったりすると、体の不調につながってしまうことがあります。そうならないためにも、まずはゆっくり深呼吸して、「出来事」と「感情」の間に距離をとり、落ち着いて自分自身を振り返ってみましょう

起きたことや自分自身を振り返る時は、できれば紙に書き出して可視化すると良いです。例えば、仕事でミスをして落ち込んだ気持ちが消えない場合、「どうしてミスをしてしまったのか」「私はなぜ落ち込んでいるのか」と客観的に観察します。そして、気持ちが少し落ち着いてきたら、「今回の出来事から何か学ぶことができるか?」「この経験から得たものはなんだったか?」とポジティブな側面にも気付いてみましょう。

ある出来事に対して、一見ネガティブなことしかないように見えても、深呼吸して落ち着いて振り返ってみるとポジティブな側面に気付くことができます。そうすると、感情的な行動を取ったり、負のループにはまることも少なくなってくると思います。

雨降りの6月。じっくり自分と向き合う時間を作ってみるにはちょうど良い季節なのかもしれませんね。

代表 櫻井正智

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