皆さん、ココロとカラダをととのえてますか?GWあたりから、気温が30度を超えるような暑い日があったりして、すでに熱中症が流行っているというニュースも目にしました。また、季節外れのインフルエンザなどにより、学校閉鎖になった学校もあるとか。一方、コロナの規制はかなり緩和され、飲食店やライブ会場にはいつも通りの光景が戻っているようです。マスクを外している人の姿もだいぶ増えてきました。考え方は人それぞれだと思いますので、自分なりの対策や工夫をしながら、窮屈になり過ぎない生活を心がけたいですね。
梅雨の特徴
そもそも、梅雨とはどんな季節なのでしょうか?ご存知の通り、6月~7月中旬頃までの雨期のことで、日本列島上に停滞前線(梅雨前線)が発生することにより、しばらくの間、雨が続きます。雨による湿度に加えて、夏に向け気温も上昇するため、気温も湿度も高いというのが梅雨も特徴。さらに、空気中に含まれる水分量は、温度が高くなると増えるという性質があるので、肌にまとわりつくようなジメジメ感を感じるというわけです。
梅雨に起こりやすい不調~その1~
代表的な不調のひとつは「むくみ」です。人間は、食事や飲料などから、一日に約2.5Lの水分を摂取し、同じだけ排泄する必要があります。排泄方法は、尿・便が72%、皮膚や呼吸が28%とされています。この機能が正常に働いていれば良いのですが、先にお伝えしたように、梅雨は空気中に含まれる水分量が多くなるので、皮膚や呼吸による排泄が思うようにできなくなってしまうのです。こうして、不要な水分が体に溜まるので、むくみます。
体の様々な部位に水分(気血水の「水」)が停滞することを、「水滞」と言います。そして、体のどの部分に滞りが生じるかによって起こる不調が異なります。例えば下記のような特徴があります↓
▼全身 ⇒ むくみ・めまい・下痢・夜間の頻尿
▼胸 ⇒ 水っぽい鼻水・痰・喘息
▼皮膚や関節 ⇒ 関節の痛み・手足の強張り
▼胃や腸 ⇒ 食欲不振・消化不良・下痢・手足の冷え
梅雨に起こりやすい不調~その2~
もう一つの不調は「消化器系のトラブル」です。東洋医学には「五臓六腑」という言葉があり、人間の内臓全体を表します。「五臓」とは「肝・心・脾・肺・腎」、「六腑」とは「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」を指します。現代医学とは知見が異なりますが、それぞれ欠かせない役割を持ち、働いてくれています。
梅雨~夏にかけて注目したいのが、「脾」と「胃」です。「胃」が食べたものを消化しエネルギーに変え、「脾」が、そのエネルギーを全身に運ぶという役割があります。この働きによって、私たちの体にはエネルギーが満たされ、健康に過ごすことができます。
しかし、実は、「脾」「胃」は、湿気が大の苦手。湿度の高くなる梅雨~夏にかけてダメージを受けやすく、食欲がない、胃がもたれる、胃が重だるい、などの不調を引き起こします。このような症状が出始めたとしたら、それは、湿気によって「脾」「胃」が弱っているサインです。また、自分の舌でチェックする方法もあります。舌に白いコケ(舌苔)が分厚くある場合は、消化機能が低下しています。舌が歯形にギザギザしている場合は、体内に余分な水分が溜まっている証拠です。毎日の歯磨きタイムに、チェックしてみてくださいね!
梅雨不調の対処法
先月号でもチラッとお伝えしましたが、体に溜まった水分(水)や、湿気(湿)を体から排泄することが、梅雨の養生ポイントです。前途の通り、空気中の水分量により、皮膚や呼吸での排泄が難しくなるので、それ以外の方法を促したり、代謝を上げて汗をかきやすくしたりすることが対策になります。
【塩分控えめ&カリウム摂取】
体の中では、ナトリウム(塩分)とカリウムがバランスを取って、血圧や水分を調節しています。ナトリウムが多くなると体内の塩分濃度を調節するため、水分を溜め込もうとし、むくみやすくなります。梅雨は特に、ナトリウムの過剰摂取には注意しましょう。カリウムが豊富な食材は、枝豆・大豆などの豆類、ほうれん草・小松菜・にんじんなどの野菜類、バナナ・キウイなどの果物類、昆布やひじきなどの海藻類などがあります。また、きゅうり・スイカ・ズッキーニ・ゴーヤなどウリ科の食材も利尿作用があるのでオススメです◎
【セルフマッサージ&ストレッチで代謝アップ】
筋肉がかたくなり、血流が悪くなると、代謝も低下してしまいます。マッサージやストレッチで凝り固まった筋肉をほぐし、循環を促しましょう。また、老廃物を処理してくれるリンパの流れも意識することで、さらに効果的に不要なものを排泄しやすくしてくれます。耳たぶの後ろ・鎖骨の下・鼠径部(脚のつけ根)、太ももの内側、膝裏、ふくらはぎ、などをやさしく撫でるようにマッサージしましょう。これらの部位が伸びるようなストレッチも◎
【汗をかいてデトックス】
体に溜まった水分を外に出すのに、手っ取り早いのは汗をかくことです。とは言え、いきなり走ったり、筋トレしたりしなくても大丈夫です。日中、少し意識して早歩きしたり、階段を使ったりすれば、じわっと汗がにじみ出ると思います。その程度でも十分。中には、体温が上がっているのに汗をかけない、という人もいますが、これからの季節は要注意です。体温調整がうまくいかず、熱中症になる恐れがあるからです。汗をかきやすい体質を作るためにも、ちょっと暑いなと感じる環境で、ちょっと息が上がるような行動を心がけてみてください。
内臓の冷えもむくみの原因に
気温が上がりジメジメした季節になると、冷えてスカッとした飲み物や、酢の物、冷や奴など冷えた食べ物、お刺身やサラダなど生ものが欲しくなりますよね。ご存知の通り、冷たいものの摂り過ぎもまた、「脾」「胃」の働きを低下させる原因になります。さらに、体に摂り込んだ水分を、全身の血液や細胞を移動するには、胃や小腸の「熱」が必要です。内臓が冷えた熱不足により、余分な水分が停滞すると、体がむくむことにもつながります。冷房の効いている部屋では温かいものを飲む、冷たいものを飲むとしても、氷は入れないとか、ガブガブ一気に飲まないとか、そんな工夫をしながら、自分の体に優しくしてあげましょうね。
自律神経の乱れによる「怒り」の対処法
春は怒りの季節、という話は今までにもお話してきましたが、春以外にも、季節の変わり目などにより自律神経のバランスが乱れることで感情のコントロールがしにくくなることもあります。さまざまな感情の中で、取り扱いに注意したいのが、「怒り」です。ついカチンと来て思ったことを感情に任せて口にしてしまう、怒鳴るように攻撃的な口調になってしまう、、、後で冷静になって後悔したり、落ち込んだりしたことは誰にも経験があると思います。そうした感情の起伏が体の不調につながらないように、改めて「怒り」について分析してみましょう。
そもそも、「怒り」というのは、単体では存在しないと言われています。多くの場合、「怒り」は第二感情です。その奥深くには、不安、心配、悲しい、悔しい、絶望、期待、ストレス、苦痛、などの第一感情が潜んでいます。それにも関わらず、「怒り」の感情として表に表れてしまうので、本当の気持ちが伝わらず、喧嘩になったり、相手や自分を傷付けてしまったりします。
第一感情を素直に伝えてみよう
イラっとした時、怒りが湧き上がってきた時、その奥にある第一感情は何なのか、冷静に考えることが、「怒り」に流されない第一歩です。連絡もせず門限を破る子供を怒る時、何度言っても便座を下げてくれない夫にイラっとする時、その「怒り」の裏にある第一感情は何でしょうか?第一感情を伝えるとしたら、どう伝えますか?
「何かあったんじゃないかって、本当に心配なんだよ。次から遅くなる時はLINEしてくれると嬉しいな」
「トイレの後は便座下げてねってお願いしたけど、また上がったままで、正直残念だよ~。明日から期待してる」
あくまでも一例ですが、こんな風に、第一感情を素直に「私は~と思った/感じた」という「I(アイ)メッセージ」に変換して伝えられると、自分の本当の思いが相手に届きます。相手も自分も傷つけないコミュニケーションのテクニックです。(心理学用語で「アサーショントレーニング」と言います)
コミュニケーションの基本は「聴く」こと
夫婦や恋人、親子、きょうだいなど、関係性が近いほど、言わなくてもわかってくれるだろう、何かあれば言ってくるだろうと甘えてしまいがち。しかし、円滑なコミュニケーションを築きたい身近な関係だからこそ、相手の話を聴いて理解しようとする姿勢が大切ではないでしょうか。「どうして~したの?」「~した理由を教えて」などと問いかけて、行動の理由を聴き出してみましょう。これは、もちろん相手に対してもそうですが、自分自身に対しても「どうして今イラっとした?」「なんで怒鳴ろうとした?」と、心の中で問いかけてみると、冷静に自分の「本当の気持ち」を知ることができると思います。すぐにできなくても当たり前。何事も練習です。トライ&フィードバックで、少しずつ感情と上手に付き合っていきましょう!
代表 櫻井正智
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