心と体の健康

メンタルスパイス~気忙しい春の養生~

皆さん、ココロとカラダをととのえてますか?4月から新生活がスタートした方も、特に変化がなかった方も、なんとなく4月は「始まり」という感じがしますよね。ずっと興味があったことにチャレンジしたり、やろうやろうと思っていたことを行動に起こしたりするのも、春の雰囲気が後押ししてくれそうですよね!僕は、改めてダイエットのルールを見直して、今月からは「1分間ゆるジャンプ&プランク」を実践中です。小さな目標があると、日常がキュッと引き締まる気がします。良い結果報告ができるように頑張ります!

おさらい:春の特徴


東洋医学の五行(あらゆる物事を5つに分類した考え方)では、春は「木(もく)」の季節。関連する臓腑は「肝」と「胆」です。春は、草木がグングンと空に向かって成長するように、私たちの体に流れる「気(目に見えないエネルギー)」も上昇します。そのため、この時期になると、のぼせ・ほてり・めまい・頭痛・首肩の凝りなど体の上の方に不調が出る人が多くなります。

また、春は「怒り」の感情が際立つ季節です。ちょっとしたことにイラついたり、いつまでもイライラが収まらなかったりします。先月号でも触れましたが、怒りというのは単独では存在しません。その根っこに隠れている感情の正体(悲しみ・寂しさ・妬み・不安など)を冷静に見つけながら、感情に振り回されないように心がけましょう。

思考の「肝」、決断の「胆」


「肝」と「胆」は、「思考」と「決断」を司る経絡と言われています。そのため、この時期はあれこれ考えが浮かびやすい季節でもあります。年度末や年度初めなどで何かと忙しい3~4月のこの時期。「あれもしておかないと」「あれもまだだった」「あれも決めておかなくちゃいけないんだった」湧き出るように思考が働きます。これは肝気が盛んに働いているということなので悪いことではないのですが、この思惟活動に決断が追い付かないとバランスが乱れてしまい、パタッと無気力状態に陥ることがあります

特に、生活リズムや人間関係に変化があったりすると「よし!」と気合いが入って、あれもこれもと頑張り過ぎてしまいがちです。思考や気持ちばかりが忙しく、それに判断や決断が追い付かなくなると、電池切れの状態になってしまうんです。いわゆる「五月病」の症状がこれに当たると言えます。

そうならないためには、無意識に働いている自分の思考に気付き、ひとつずつ決断を下していくことが大切です。東洋医学の世界には大きな分類として「陰と陽」の関係があります。「肝と胆」も「陰と陽」の関係にあり、お互いにバランスを取っています。なので、思考だけではなく、同時に決断していきましょう。「これは今日の午前中にやっておこう」「これはまだ考えなくて大丈夫」「もう一回やることを整理してみよう」と、ひとつずつ冷静に行動することが、余裕を取り戻すきっかけになってくれるはずです。

五月病予防にも効果◎揺らぎがちな「春の心と体」を整える方法

体からのサインで今の状態をチェック


全身には十二種類の経絡(けいらく=気の通り道)があります。体のどの部位に凝りや痛み、違和感などがあるかで、今の自分の状態を確認することができます。春にチェックしたいポイントは、「首・肩」「脚の外側(体側)」です。耳の下~首の外側(横側)~肩の真上に辛さを感じる人は要注意。また、脇腹~お尻の外側~腿の外側に張りや違和感がある人も、決断が追い付かずに気忙しくなっている可能性があります。あなたの体はどんなサインを出していますか?

ゆるストレッチで体からアプローチ


体からのサインを受け取ったら、その部分をやさしくストレッチしてゆるめてあげましょう!ちょっとした合間に1分でも3分でも呼吸しながら体を動かすと、良い気分転換になりますよ。さあ、下のストレッチを早速実践◎

 ☆仕事や家事の合間に!<首肩ゆるストレッチ>

1) 楽な姿勢で座ります(床でもイスでも大丈夫)
2) 体の後ろで反対の肘をつかみます(※腰が反り過ぎないように注意!)
3) 吸いながら背筋を伸ばして、吐きながら頭をゆっくり右に傾けます
4) 頭のてっぺんと左肩で軽く引っ張り合いをするイメージで、三呼吸繰り返しましょう
5) 頭を起こして、肘の組み方を入れ替えて反対も行います

☆寝る前にお布団の上で!<体側じんわりストレッチ>

1) 仰向けに寝転がり両膝を立てます(肩幅くらいまで足を開きます)
2) 両膝をゆっくり右側に倒します
3) 右足のくるぶしを左膝の上に乗せてみましょう(※グイグイ押す必要はありません。ただ乗せるだけ)
4) 両腕は横に広げるか、バンザイ、頭の向こうで肘をつかむ、どれか気持ちが良い位置に置きましょう
5) 体勢が落ち着いたら、全身の力を楽にして、三呼吸繰り返します
6) 右足を床に下ろしてから膝を立てて、反対も行います

マインドフルネスを試してみる


感情に支配され過ぎない方法として「マインドフルネス」もオススメです。マインドフルネスとは、さまよう思考を「今この瞬間」に集中させた状態、自分の心をその状態に導く練習です。ひっきりなしに浮かんでくる考え事やそれに伴う感情をただ観察します。「今、〇〇のことを考えてるな」「今、〇〇って感じてるな」「今、〇〇って思ったな」という風に、自分のことを「もう一人の自分」が実況しているようなイメージです。

大切なポイントは、その実況に評価や判断をしないことです。「こんなことで怒るなんて私は最低だ」「こんなことで悲しんではダメ」「あんな一言に傷ついてないでさっさと忘れなくちゃ」…。自分の思考を客観的に観察すると、その自由さに驚くと思います。そして、普段いかに自分で自分のことを評価・判断しているかにも気が付くと思います。「あ~私は怒ってるんだ」「あ~私は悲しいんだ」「あ~私はあの一言に傷ついたんだ」と、感じたことをただ受け止めてあげましょう。少しの時間でも試してみると、気忙しい心に変化が訪れるかもしれません。

五行の相克関係を活用する

先月号でもお話しましたが、五行には「育成」と「保護」の関係性があります。「木」の気を保護してくれるのは「金」の気です。関連する感情は「悲しみ・憂い」なので、怒りが収まらない時は悲しみを利用すると良いのでしたよね?今回はもうひとつ、金に分類される「肺」の力を借りる方法をお伝えします。肺ですから、ご想像の通り「呼吸」です。経験があると思いますが、怒りの感情が湧いている時は呼吸がとても浅くなっています。怒りを鎮めるために深呼吸しますよね?これは、五行の考え方にも適っているんです。

「吐く」が苦しい?「吸う」が苦しい?


深く呼吸しようとした時、息を吐くのと吸うのとで苦しく感じる方はありますか?

<「吐く」が苦しい人>

日頃から感情を抑える、言葉にするのを我慢する、気持ちを吐き出さない(出せない)傾向がありませんか?
深呼吸する時は、喉や肩の力を抜いて最後まで息を吐き切ることを意識してみてください。

<「吸う」が苦しい人>

日頃から何事も目いっぱい頑張る、キャパオーバーまでやり過ぎる、予定を詰め込みがちではありませんか?
深呼吸する時は、勢いよく一気に吸おうとせず、ゆっくり時間をかけて息を吸ってみてください。

自分の呼吸を観察することも、自分の状態を知るきっかけになります。息が吐きにくい時、溜め込んでいることはないか振り返ってみましょう。息が吸いにくい時、あれもこれもと頑張り過ぎてないか振り返ってみましょう。

どんな時も呼吸は万能


季節に関係なく「呼吸」は心と体を整えてくれる力強い味方です。心の状態をコントロールするのは難しいですが、呼吸のペースや深さは自分で調整することができます。「ゆっくり呼吸する時間を作ろう」と思うとハードルが上がってしまうので、生活の「ついで」に気軽に取り入れてみてください。トイレから戻って席に着いたら三呼吸、歯磨きが終わったら三呼吸、洗濯物を干し終わったら三呼吸、お風呂に浸かって三呼吸。こうやってこまめに呼吸を意識することが、心と体をととのえる手助けになってくれますよ!

代表 櫻井正智

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